騒音むかし話


みなさんこんにちは、引越初心者です。
コロナの終焉は一体いつになるやら、 
長かったコロナ禍で在宅の時間が増え、 
生活音のトラブルが発生しやすくなりがちな昨今。

 ひと昔前なら、問題にならなかったことも、
 今回のコロナ騒動により、先鋭化した印象を受けます。

これはひとえに世間の意識だけでなく、
戦後から引きずっている集合住宅の設計、構造や、
そして工法も騒音トラブルの要因のひとつになっていることはいなめないのです。

戦後の住宅不足の最中では、
石膏ボードを使用した工法が普及しました。
これを俗にGL工法と呼びます。
1950年以降その傾向は増えていきます。

この工法が壁に使われていると、
隣戸との戸堺壁を通して音がよく響きます。

また1980年ぐらいまでに大量に供給された、
いわゆる団地型のマンションに関して言えば、
とにかくコンクリートの躯体が薄めの仕様です。

これはもう響かない方がおかしい、
150㎜ぐらいではほとんど遮音性があるとは言えない、
音は筒抜けだと思った方がいいです。

この住宅の使用のおかげで、
1970年前後ぐらいから音の苦情は増えていきます。

なぜ今になってそんなに音問題が深刻化しているかといえば、プライバシー意識の高まりや、不寛容社会というワードが適切ではないでしょうか?

遡ること江戸時代。
集合住宅といえば、THE長屋でしょう。

建築材料から言えば、
今より遥かに隣人の生活音は聞こえていたことでしょう。

現代の建物と遮音性は比べるまでもないが、
ここまで今の社会のように音で問題になったのか?
いや、そんなことはないはずであろう。

通りにこだまする、
商人の呼び声や、子供の遊び声、
おや、三味線の音色まで。

これを下町情緒と呼び、活気がある、
威勢がいいとポジティブなイメージで片付けることができる。

隣近所では助け合いの精神と、
お互い様の世界。

今の集合住宅住まいでもほとんど、
顔を合わせることのないドライな感じとは、
まったく真逆の世界観である。

戦後から、次第に日本人の感覚が変容していったのかもしれない。田んぼにこだまするカエルの鳴き声や、
木に止まり一夏を謳歌する蝉の鳴き声でさえ、
うるさいと問題になる時代。

何かどこかで大事な物を見失ってきてしまったのだろうと思います。
現代の不寛容社会はそれだけ多くの人が、
ストレスを自ら感じやすい局面にあるとも言える。

子供の声がうるさいと苦情が言われるようになったのは、平成のはじめ1990年ぐらいの出来事。
失われた30年がそこから始まるが、
もうすでに我々は大事なものを失っている。

本日も最後までお読み頂き、
ありがとうございます。

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